左脳、死んでも生きてるってよ

障害者でもないが健常者でもない。普通でもなければ異常にもなれない日々。

味のなくなったガム、味がしないガム

目覚めると頭が言葉でいっぱいになっている。

そんな時が不規則に訪れる。

そういう時はよく夜が近づいてくると怒られたあの人や、無視されたあいつとか、馬鹿にしてきたあの子、嫌なことばかりが垂れ流しになる。

 

体は正直とはまさにそうで、心臓がもうやめてくれというように速度が速く音が大きくなり鼻腔を狭く肺を苦しくさせる。

 

毎日1日を1万円未満で働き終えて200円ちょっとのレモンサワー500mlを川の流れのようにごく自然に手に取りレジに出してポイントカードを出して「レジ袋、レシートいらないです」と言う。ここまでほとんど脳みそを使っていない。

 

給料日が来るごとに「君たちは どう生きるか」原作:吉野源三郎 漫画:羽賀翔一 (読んでない)になる。

携帯代、水道代はわたしが払うから、家賃と食費でこれで、あとカードはいくら引かれるから現金が残るのはこんなもんか。「給料入ったらこれ買おう☆」と思ったことは大抵叶うことはなく、今日も何年前かに買ったユニクロのニットを着ている。

 

2万円のアウター、1万円のワンピース、6000円のニット、1万円のブーツ、全てが非現実的なものに感じる。そんなの買ったら生活が立ち行かない。そもそも着るところもない。

 

本当は髪の毛はブルーやピンクにしたい。爪はツヤツヤとギラギラにしてまつげはナチュラルに長くマツエクしてまぶたはいつもキラキラに。自分を押し殺すことなんてしないで盛大にひけらかして、そのことが誰かの勇気や希望に。

 

今はまぶたはキラキラしてるけど日高屋で生ビールジョッキとタンメン食ってる。ユニクロの何年前かわからないニットを着て、安くてすぐにポケットが破れた上着を着てる。服がないけど服を買う金もなければ10kg太った体に着せる服などない。客はみんな1人黙々とスマホを見てなんだか泣いてしまいそうになる。

なんせ、味がしない。

 

ある日を境に味がしなくなってしまった。それから回復したようなしてないような感じで3年くらい経って、気持ちが塞がってると体からのサインみたいに食べたものの味がしなくなる。

 

自分の毎日みたい。噛みきって味のしなくなったガムみたい。そんで本当に味を感じる部分が死んでしまったみたい。

 

着る物も纏う体も醜く、食べる物も味覚も全てが死んで見る物も見る感情も全て焼かれて灰になって舞っているような。それでも生活は続いていくから。

 

オチのない気持ちは眠れない夜へ、起きれない朝へ、感情失くして働く午後へ、諦めきれない明日へ。日高屋のクーポンをもらう。