左脳、死んでも生きてるってよ

障害者でもないが健常者でもない。普通でもなければ異常にもなれない日々。

春の日暮れの色になった綺麗な爪は友達が塗ってくれた魔法

労働から睡眠薬6錠、起きるとは11時だった。

急いで洗濯物をぎゅうぎゅうに押し込めて、ピンクの柔軟剤を小さな引き出しに入れる。

 

15kg太った体には纏える布があったもんじゃない。最近内緒にしていたけれど、バイトできているスラックスは3着も股が裂けた。連続殺スラック事件。犯人は同様、わたし。

 

真剣に恥ずかしいので誰にも言えない。

「もう終わってる」とInstagramのストーリーに上げたら数人の友達からダイエットのアドバイスがすかさずきた。ありがとう。本当にありがとう。でも、やっぱり、友達でも明らかなほどに太ったってことなんだよね、やっぱりそうなんだよね。本当ありがとう。

 

久しぶりに表参道に降り立つ。昼下がりなので厚手のニット一枚で平気な気温だ。綺麗な服を着た女の子、ストリートっぽい若い男の子。一応平日のはずだが、人が意外といる。でもあれか、春休みの大学生とかなのかなと思いながらGoogleマップの青い光に翻弄されながら友人の指定したネイルサロンの近くに来た。

 

打ちっぱなしコンクリートと植物に囲まれた広めの建物は、テラスもあって一見カフェのように見える。よっ!これが表参道。と洗礼された気張らないお洒落に緊張した。10数年ぶりに会った友人は全然見た目が変わらない。色白で華奢で、着飾りすぎないナチュラルな可愛さ。

積もる話がありすぎたが、今年ネイリストになると決めて2月から働いているそうだ。なんたる行動力。

 

今までの経緯をかいつまんで話すと我ながら「やばかったなぁ」と思い。「そうだよ!がんばったんだね」と力強く元気付けてくれた。「やっぱり落ち着く時期だよね、年齢的に」「そうだね、落ち着いて自分の行き先をなんとなくわかってくるっていうか」

 

同級生は売れてる、フリーランスになってる子がいる子も知った。「くそ!いやだ!有名になりたい!!全然自分はだめだ!!」と地団駄を踏む。「大丈夫大丈夫、一緒にがんばろうね」

 

可愛くて優しい!ず、ずるい!

 

ちょくちょく先輩とやらにチェックしてもらってる彼女もまた、がんばっている。早く、いや、早くなくっていい、ネイリストの試験受かってトップネイリストになっておくれ。いや、君ならなれる、いや、トップとかもはやどうでもいい。どうであれあなたは素敵。なんの心配もない。

 

仕事と家の往復でしんどい気持ちになっても、ふとちゅるちゅるの爪をみるとハッと自分に帰れる気がする。

春の日暮れのグラデーションみたいな色にしてくれた。

 

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