左脳、死んでも生きてるってよ

障害者でもないが健常者でもない。普通でもなければ異常にもなれない日々。

ホールケーキの季節

去年の今頃、わたしは毎日、18センチのホールケーキを作っていた。

 

3ヶ月ほどで7キロ一気に太った。

投薬治療を始めたからだ。

 

しかし、家族は気づいていなかった。

隠れて心療内科に通っていた。

あまりにも前職の仕事が忙しかったので頭がおかしくなったと思っていたようだった。

 

毎日仕事を辞めた罪悪感と今後の不安で眠れず、起きるとクックパッドでケーキのレシピを引き出しホールケーキを作っては一人で全て食べた。

 

ケーキを作っては一人で食べ、を繰り返し、あとはワインのボトルをラッパ飲みしながら犬の散歩をしていた。もう全体的にどうでもよくなっていた。太ろうが、不健康だろうが、なるべく正常な意識を保ちたくなかった。初夏の風はそんなわたしを受け入れるように季節の変わり目を丁寧に伝えてくれた。梅雨前まつぼみだった紫陽花が花を咲かせ、一見枯れていると見えるひまわりが太陽に向け花びらを開いた。そんな季節を肌身で感じるのは久しい出来事だった。

こんなにも季節の色が鮮明だったのか。

 

また今年もついこないだは葉っぱだった紫陽花が、もう咲いてる。今は「紫陽花きれいね〜」といいながら犬のウンコを取っている。

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